「友引」の日に、お葬式しないのはどうして?
カレンダーの「大安」や「仏滅」と同じ並びにある「友引(ともびき)」。お葬式の日取りを決めるとき、「友引の日を避ける」ということを聞いたことありませんか。
「お葬式=友引はダメ」というイメージを持たれている方も多いかと思いますが、実は宗教的な理由は一切ありません。それなのに、どうして今でもお葬式を避けるのが当たり前になっているのでしょうか?
そこには、言葉のイメージから生まれた昔の人の不安と、現代の火葬場の事情が深く関係していました。
1. 「友をあの世へ引き連れていく」と連想されるから
一番の理由は、「友引」という漢字のイメージが不吉だからです。
「友を引く」という文字の通り、昔の人は「友引の日にお葬式をすると、故人様がこの世への未練から、親しかった友人まであの世へと一緒に引きずり込んで(道連れにして)しまう」と信じていました。
もちろんこれは科学的な根拠のない迷信です。しかし、「大切な人の命がまた奪われてしまうかもしれない」という不安や、周囲の人への配慮から、自然とお葬式を避ける風習が広がっていきました。
2. 実は「引き分け」という意味だった!?(驚きの由来)
実は、友引が含まれる「六曜(ろくよう)」というカレンダーの吉凶の考え方は、もともと仏教の教えではありません。
さらに、大昔の中国から伝わった本来の友引は、「共引」と書かれていました。 その意味は、「勝負事で、共に引き分ける(勝負がつかない日)」という、いたって平和なものだったのです。
それが日本に伝わって歴史が進むうちに、「共」の字が「友」に変わり、「友をあの世へ引っ張る日」という全く違う解釈で、お葬式のタブーになってしまいました。
3. 現代でも避ける「最大の現実的理由」
仏教とは関係のない迷信だと分かっていても、現代でも友引のお葬式が避けられるのには、非常に現実的な理由があります。それは、「全国の多くの火葬場が、友引の日を定休日にしているから」です。
昔からみんなが友引の火葬を避けるため、火葬場側も「じゃあ、友引の日を休み(メンテナンス日)にしよう」と決める施設が増えました。
つまり、喪主や親族が「迷信なんて気にしないよ!」と言ったとしても、お葬式ができないという仕組みになっているのです。
【あわせて知りたい】どうしても友引に重なる時の対処法
どうしてもスケジュールの都合で友引にお葬式をせざるを得ない場合や、火葬場が営業している地域では、次のような方法で対応することがあります。
- 「お通夜」なら友引の日でもOK。友引がダメなのは、故人様と本当にお別れをして火葬する「葬儀・告別式」の日です。故人様と最後の夜を静かに過ごす「お通夜」であれば、友引の日に行っても問題ないとされています。ただし、地域によっては通夜も避けるというところもあります。
- 「友引人形」を棺に入れる主に関西地方などの風習ですが、どうしても友引に火葬をする場合、故人様の隣に「友引人形」と呼ばれる身代わりの人形をそっと入れます。「友人の代わりに、このお人形を連れていってね」という意味を持たせることで、不吉な連想を断ち切るための昔ながらの知恵です。
まとめ:友引にお葬式を避ける理由
- 「友を引く」という文字から、友人の道連れを連想して縁起が悪いとされたため
- 元々は「勝負が引き分ける(共引)」という意味で、仏教とは無関係
- 現代では、多くの火葬場が「友引を定休日」にしているという現実的な理由から
「友引のお葬式はダメ」というのは、もともとは漢字のイメージから生まれたイメージ(迷信)でした。しかし、「周りの人に嫌な思いをさせたくない」というご遺族の配慮と、火葬場の休日が重なったことで、現代でも大切に守られているしきたりなのです。